私は、このタイトルで、有名な数式を自分流に解釈してつかっています。
「 色即是空 空即是色 」={ E=MC² }=「 万物は流転する 」=「 無常 」???
こういう考えで、前回の「 変化と多様性 2 」において、自分が「 煩悩 」にまみれながらも、「 神仏 」の意図を察して行動するのを「 悟る 」ことだと申しました。
まわりにそれらしい人はいないようですが、今回は、最初に書きました「 尾畠春夫さん 」について、彼が「 ボランティア活動 」に邁進されている様子が、なんだか「 悟った坊さん 」の行動のように思われまして少し書いてみます。
彼は「 79才 」で、結婚もされ独立して生計を立てられている息子さんもおられますが、奥さんは、彼の言葉では「 カミさんは、いま旅に出てる。一人旅です。自由にしたいって、5年前に出かけて、まだ帰ってこない 」らしいです。
彼の経歴はWikipedia にありますから、それをご覧になれば、多くのことが分かります。
65才で、それまで順調だった「 魚屋さん 」を閉ざし(息子さんが、後を継ごうかといったら、自分の人生は自分で決めて進んでいけといって断られたそうです)、それ以降は「 ボランティア活動 」に専念され、2018年8月、山口県周防大島町家房において、3日間、警察などにより発見されなかった2才の男児を、わずか30分で探し出して話題になりまして、私も、それから彼に注目するようになりました。
ご存知のように「 ボランティア 」は求める心と救助したいという心が合致しないと不審を生みます。
「 心 」と「 心 」の上に成り立っているのは、あなたにも誰にもわかる普遍的なものだと思います。
彼の心の中には「 かけた情けは水に流せ。うけた恩は石に刻め 」という言葉があるそうです。
彼は10歳のとき母親と死別し、貧しい環境の中で生きてきて、彼のボランティア活動を突き動かすのは「 おふくろに思い切り抱きしめてもらいたい。あばら骨が折れてもいいから思い切り抱きしめてもらいたい 」という思いだそうです。
2019年1月、東京都の中学校で講師(講演)され、現在は、自分の家がある大分県日出町までの1100km を徒歩で帰宅の途中です。
なぜ歩いて帰るのかについては、「こういう歩きの旅で体を鍛えていたら、もし自然災害が起きたときに、すぐボランティアをさせてもらえるから 」らしいです。
東京は彼が若い時に、勤務していた所で、「 変わっていないと悲しい 」と言われるので、「 無常観 」はお持ちだと思います。
以上は、「 おばたはるお 」でWeb検索して、あふれんばかりの記事の中から抜粋したものです。
興味をお持ちなら、検索してください。
これからは、私の考えを書きます。
経歴や学歴のある人が、「 悟られた 」ならば、その言葉や行動で周りの者が気づくでしょうが、それは普通とは違って奇異な行動と見えるだろうと思い注目するでしょう。
ですが、一般の人はどうでしょう。
「 狂人は天才と紙ひとえ 」と申しますように、普通とは違う奇異な行動をする人は、「 悟っている 」と一応は考える必要があると思います。
私は、彼の思いをWebで拝見させていただいて、昔、映画で見た「 マルセリーノ 」を思い出してしまい、彼は、きっと10歳で死別されたお母さんに逢えるだろうと思い、そしてもう一方では、苦行だと思われる僧侶たちがされる「 托鉢 」のことを思ってしまいました。
そんな、僧侶がすべき「 苦行 」も、私が居住する所で行っている僧侶は見受けられません。
この二つとも、普通の生活をしている私にとっては奇異な行動のように思われます。
詳しくは知りませんが、ボランティアは社会奉仕ですから、自己の欲望は抑制し、清らかな心がないと、救援を受ける人に不審をいだかれます。
心を綺麗にするのは、人の善意のうえで成り立つ「 托鉢 」も同じでしょうし、東京から徒歩で帰るのもお金の節約もあるかも知れませんが、年齢が79才で、しかも雪が降る冬という時期に、地図もお金も健康保険証(これは。いざとなったら病院が治療すると思います)もなくテントと寝袋だけで帰るのは「 自殺行為 」としか思えません。
それでも、綺麗な心で救助に呼んでもらえるからと言われますが、私には、ボランティア先で死亡するより、徒歩の旅で死ぬほうを選ぶといった思いを感じますから、ほどほどで止めたらいいと思いますが、本人の意思を尊重して、日本の多くの人が、その旅を心配する一方で、元気に帰宅できるように沿線の人が励ましているのだと思います。
こういう「 バカげた行為 」により、それを取り巻く国民が、ボランティアとは何かを考えさせるエネルギーになっていると思うと、「 原爆シャツ 」とは違った意味で国民に衝撃を与え、尾畠さんが行動で現した彼の内面のエネルギーが、人間はこんなことも出来るという多様性を広げたことになっているのだと思います。
私は、彼の行動に、彼が命を捧げるモノを発見した(悟った)人なんだと感じるのです。
一日日も早く、大分県の実家に辿り着かれん事を願っています………。
(1月28日)
最近のコメント